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ビートルズ解禁の意味を考えてみた

どうもおはこんばんちわ、ポール派です。

ビートルズが音楽サブスクリプションサービスで解禁になりました。普段使っているTidalでもビートルズのカタログが視聴できるようになり、大変満足です。

 

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デジタルリマスター化からサブスク解禁まで7年かかった

ファンの間ではよく知られていることでもありますが、ビートルズって毎年冬の季節になると何かしら大きいリリースを持ってくるんですが、2015年は「ビートルズ1」とこのサブスク解禁、ということでした。

デジタル配信が主流になった時代にあってビートルズのカタログはデジタルリマスタリングでリイシューされるのが他のアーティストに比べて遅く、リマスター盤が発表されたのは2009年になってからでした。その翌年、iTunesでデジタル配信が開始され、そこからオンデマンドのサブスクに解禁されるまで、さらに5年という期間がかかりました(リマスター盤リリースから考えると7年)。

 

ビートルズ解禁に価値を感じているのは中の人だけ?

音楽配信業界に長く身を置いていた者からすると、今回の解禁は大変感慨深いものがありました。ただ、世間の一般的な感覚では取り立てて騒ぐほどの出来事でもなく(音楽関係者以外話題にもしてない)音楽業界自体の感覚が乖離しちゃってる感が半端ないな、というのが率直な印象でした。

www.timeout.jp

ちょっと話は逸れますが、KKBOXの八木さんが「音楽にお金を払うユーザーのほうがむしろリテラシーが低いと馬鹿にされる状況を野放しできない」ということをおっしゃっていて、とっても納得できる表現だなと思いましたし、コンテンツビジネスに携わる身としては深刻な状況だと思う一方で、自分自身を振り返った時にTidalを使ったり音楽というコンテンツに対してお金を使うという行為は、ある種のプライドやこだわりを持っているからこそあえてやってる部分もあったりして、そこは一般消費者とは異なったスタンスがあることは否めないなあとも思いました。

 

ビートルズというラスボスが去ったあと

リマスター化→デジタル配信→サブスクリプションときたその先には、フリーミアムをどこまで許容するかというところにたどり着いてしまうはずで、つまるところユーザーが対価と感じるのはコンテンツに対してではなく、コンテンツ消費における利便性やコンテンツ以外の付加価値である、というしごく当然の時代の流れをさらに確信させるものでしかないなあと。

ビートルズ解禁は、音楽デジタル業界で絶対に倒せないと言われていたラスボスを攻略してしまったような感覚なのかなあ、とか考えていたんですが、よくよく考えたら、真のラスボスはジャニーズだなと。コンテンツ価値を保つためにネットの画像にも厳しく、YouTubeなんてもってのほかで、デジタル配信も限定的、という真のラスボスのウィンドウ戦略は見習うべき点は多いなあと、ビートルズを聞きながら思いました。

 

そんなこんなで、来年あたりはビートルズ映画「レット・イット・ビー」のブルーレイ化を期待したいところです。

かしこ