AWA MUSICは儲かるのか?
どうもこんばんは。ずんぢです。
avexとサイバーエージェントによる新音楽サービス「AWA MUSIC」がローンチしましたね。
早速僕もダウンロードして使って見ましたが、UIがとにかく新鮮ですね。そして音楽のヘビーリスナーではない人にもコンテキストを持たせられるように豊富なプレイリストが特徴的で、CAの方々の英知が詰まったアプリケーションだなあと感心させられました。
そんなニュースを見ていたら、出る出る詐欺?状態だったLINE MUSICもついにティザーサイトを公開。どんな形でローンチしてくるのかとても楽しみです。
ネットの書き込みを見ていると「Spotify」が参入してこないうちにどれくらい刈り取れるか?みたいな意見があったのですが、僕が思うにSpotifyはフリーミアムが提供できるまでは(絶対に)日本に参入してこないと思います。そもそも日本のブランチオフィスが出来て2年くらい経過している訳で、その間日本のレーベルと交渉を続けてはいるもののフリーミアムの壁は高く超えられていないのではないかなと。
というか、AWAも(まだローンチしてないがおそらく)LINE MUSICも本当はフリーミアムで提供したかったのだが、どうにもうこうにもレーベルとの折り合いがつかないので苦渋の決断で有料モデルのみでの参入、なんではないかなと。
LINEは実際サービスローンチできる状態にあったのにそれを取り止めたと公言しているわけで、その結果avexとソニーと共にジョイベンを作るに至ったわけで、フリーミアムの道はかなり険しいのではないかと推測します。
AWA MUSICのサイトを見ると「登録なしですぐ聴ける」や「3ヶ月間FREE」といったコピーが並び「無料」というフレーズはないものの、avexの決算発表や先行してニュースになっていた有料のサービスモデルについても一切の記載がないあたりは、ユーザーに対しては限りなくフリーミアムのサービスとして訴求していきたい、という思いが見え隠れしているんではないでしょうか。
avexホールディングス 2015年3月期業績説明資料より
さて、前置きが長くなりましたが表題の「AWA MUSICは儲かるのか?」。
上記のビジネスモデルでユーザー課金をした場合、手残りは一体どれくらいになるんだろう?というのを勝手に邪推してみたいと思います。
Lite版とプレミアム版とがありますが、聴き放題のサブスクリプションは著作権料の料率が不明なので、ここはLite版の税込360円をベースに考えてみたいと思います。
Appstoreの場合、IAPの手数料が30%なので、360-108=252円
で、少なくても50%くらいは権利者に持っていかれるであろうということで、252-180=72円
でもってさらにJASRACなどの著作権管理団体に使用料を払う必要があります。JASRACのホームページに早見表がありまして、
ここのストリーム型で月額サービス欄を見てみると、
月間の情報料及び広告料等収入の3.5%
とあります。
というわけで、72-12=60円
でさらにほかにも色々ありそうなので、多く見積もっても1課金ユーザーあたり50円くらいだとします。
Lite版のユーザーが10万人いたとして、月の手残りが500万。やっぱ、、音楽サービスってなんかあんまり美味しい感じはしないです。
しかも「3ヶ月FREE」とかやってますけど、あれ、権利元にはその間原資を負担してお金を当然払わなければいけないわけでいやー大変だなーとか、MG(ミニマムギャランティ)あるだろうな、とか色々推測してしまいます。
今は登録フローもなく即聴き放題なわけですが、3ヶ月後、どれくらいの人がこのサービスにお金を払ってでも使い続けたいと思える価値を提供できるか?がとにかく重要で、いざこれが有料となった場合に使い続けてくれるユーザーは一体どれくらいいるのかなと。結局YouTubeでタダで聴けばいいじゃん、を超える価値をちゃんと提供できるかが鍵になるんだろうなと。
とはいえリリースされたプロダクトの質は本当にすばらしいので僕もどんどん使いたいと思いますし、AWA MUSICが日本の音楽業界のフリーミアムの壁を超えるきっかけになることを期待しています!
じゃあまたのー!